あたたかな季節を迎える春に、”ヴァルプルギスの夜”という一夜があることをご存知ですか?
『シュガシュガルーン』でも描かれているヴァルプルギスの夜。
4月30日から5月1日にかけての一晩、世界中の魔女たちが集う特別な行事なんです。
日本では”魔女の日”とも、呼ばれています。
ショコラも一人前の魔法使いとして参加を認められ、騎士たちとともにブロッケン山に。
とびきりのおしゃれをして、パーティーに参加していましたね。
シュガルンでは華やかに描かれているこの集まりですが、
実際のヴァルプルギスの夜は、もう少し違った意味合いを持つのだそうです。
そこで今夜は、歴史に基づいた「ヴァルプルギスの夜」について、紐解いていきたいと思います。
悪いことは、すべてが魔女のしわざ?
中世からの歴史においては、魔女は人間にとって、命を脅やかすような危険な存在……として描かれてきました。
魔女は実在したのでしょうか?
もし実在したとすると、本当に悪事を働いていたのでしょうか……?
それは、永遠の謎。
でも、人間たちは魔女のことを、悪魔と契約を結び、黒魔術を使う危険な存在……と、想像していたのです。
我が子の病気も、食べ物の不作も、天災も。
この世に起こるすべての災いごとは魔女によるものだとされていたんです。
そんな恐ろしい存在の正体を暴こうと、
魔女を探し出すための拷問が行われるようにもなったそうです……。
ほんとうのヴァルプルギスの夜
魔女たちには”サバト”という、集会を行う習慣があります。
普段は正体を明かさない魔女にとって、秘密の集まりは貴重な時間。
中でもヴァルプルギスの夜は、年に一度の特別なサバト。
たくさんの魔女が集まり、春の到来を祝うとともに、
悪魔と契りをかわし、黒魔術にふける長い夜を過ごすのだそうです。
特にドイツにあるブロッケン山は、ヴァルプルギスの夜が開かれる場所と言われています。
集いに参加するために、魔女は空を飛んで移動するのですが…
飛ぶために使ったのは、箒ではなく…?
出展:[Art] “Walpurgisnacht” Print from Markus Wolff
魔女は悪魔の化身とされる雄ヤギにまたがり、空を飛んでいたと考えられています。
『シュガシュガルーン』でも描かれる「闇」
恐ろしい魔女の歴史や文化とは対照的に、ロマンチックな魔女の象徴であるショコラとバニラ。
少女心をぎゅっと掴むような可愛らしいシーンもたくさんありますが、
実はふたりも、ノアールという「闇」に立ち向かっています。
心の中に生まれる闇……
運命の中にひそむ闇……
そして、罪を犯せば、必ず下される罰。
『シュガシュガルーン』のストーリーは、きれいなことばかりではありません。
人間界や魔界の暗黒面、ダークな感情や行動が描かれています。
おとなになって読み返してみると、あらためてその「闇」を再発見することもあるかも……。
ファンタジックなストーリーの中にある、夢だけでは終わらない魔女の世界。
ヴァルプルギスの夜の読書に、『シュガシュガルーン』をちょっぴりおとなの視点で読み返してみるのもいいかもしれません。
闇の魔法使いであるピエールの存在も、あらためて読むと切なくなってしまうもの。
公式サイトでは今後も、魔女の真実やルーツにせまる企画をお届けしていきますので、ぜひお楽しみに!
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(スタッフ)